山口県の食品スーパーチェーン・丸久と、購買データを扱うTrue Data、周南公立大学が連携し、学生が実購買データと生活者ビッグデータを分析して売場づくりの施策を提案する取り組みを進めています。前年度は生成AIを使った販促POPの考案や分析結果の可視化を実施。本年度は「若者向けの冬の生活応援」をテーマに、品揃え、売場構成、店頭・SNSを含めた販促施策を検討します。丸久は地域DX人材の育成と、データに基づく施策立案の精度向上の両立を狙っています。
出典:PR TIMES「周南公立大学の学生が実購買データを活用し、食品スーパーの売場づくりを提案」(2026年9月26日)
産学連携というと研究開発を思い浮かべますが、この事例で企業が差し出しているのは研究費ではなく自社のデータです。
実購買データを大学に開くと、2つのものが返ってきます。ひとつは専門的な分析。もうひとつは、社内にはない若い世代の発想です。食品スーパーの主要顧客層と、売場を提案する学生の世代が違うことは、この取り組みではむしろ利点になっています。
この型の重要な点は、研究開発予算を持たない部門でも始められることです。マーケティング部門も、店舗運営部門も、自社のデータは持っています。必要なのは、それを外に出す社内合意だけです。
始めるために決めることは2つしかありません。自社が持っていて外に出していないデータは何か。それを分析してほしい相手は誰か。この2つが決まれば、産学連携の入口は意外に近いところにあります。
大学側にとっても、学生が実データに触れられる機会は教育上の価値が大きく、受け入れの強い動機になります。教科書のデータではなく、実際の店舗で動いている数字を扱えることは、企業側が思っている以上に魅力的な提案です。データの提供は、見返りを求める交渉材料ではなく、相手にとっての価値そのものだと理解しておくと、話は早く進みます。
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